思考を超えた節税で企業の可処分所得の最大化を目指す:安藤税務会計事務所

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資金繰りの悪化は病気だ!

 

『えっ?融資がでないだなんてっ!そんな・・・。』

こんな声を最近よく聞きます。

そう、銀行に融資を依頼したところを断られたんですね。

ここで皆さんに質問です。

皆さんは、銀行をどのように捉えていますか?

 

●お金を預かって、増やしてくれるところ?

●困ったときにはお金を貸してくれるところ?

●都合のいいときだけお金を貸してくれるけど、基本的にはどうでもいいところ?

 

いろんな考え方がありますが、最も近いものは『都合のいいときだけお金を貸してくれるけど、基本的にはどうでもいいところ』だと思います。

もちろんこれは銀行に限らず、金融機関全体に言えることですけどね。

『そんな事言ったって、課してくれなかったら設備投資もなにもできないじゃないか。』

確かにそうですね、間接金融の国である日本では、融資がなければ何も出来ません。

でもね、ちょっと待って下さい。

それは前向きな話の場合。

前向きな話には、銀行は飛びついてきますから。

ここでの話は、後ろ向きな場合です。

つまり、資金繰りや経営が悪化した場合の話。

 

中小企業にとって、資金繰りは命です。

これは以前からずっとお伝えしている通りです。

資金が滞ることは、血流が滞るのと同じ事。

あっという間に動脈瘤となり、それが破裂して・・・。

そのためには、資金という薬を注入して血流を良くしておく必要があります。

 

その資金という薬を処方してくれるところが、金融機関というわけ。

こう考えると、金融機関って有り難いところに見えますよね。

ところがそうでもないんです。

この資金という名の薬を処方してもらおうと思えば、金融機関に気に入られなきゃならないんですね。

金融機関は、嫌いなところには処方してくれないんですから。

 

それじゃ、どんなところが好きなんだと思います?

実はね

●収益力があり

●財務体質もよく

●返済を滞った事がない会社

なんです。

 

もちろん、こんなにいい会社ばかりじゃありませんよね。

だから、その次に好きな会社もあるんです。

それは

●資金の流れが明瞭で

●債務超過でない会社

なんですね。

 

これが最低条件だと考えて下さい。

そりゃそうでしょ?

金融機関だって、自分が損をするわけにはいきませんからね。

彼らも商売です。営利事業なんですよ。

これは政府系金融機関だって一緒です。

破綻しかけている企業には、残念ながら融資してはもらえません。

個人的に担保があれば、話は別ですよ。

 

ところがね、中小企業の経営者には大変な勘違いをしている人が多いんです。

『これほど困ってるのに、金融機関はなんの役にも立たないっ!』

って怒るんですよねぇ。

怒ったってどうしようもありませんよね、そこまで放置している人が悪いんだから。

そのうえ、担保も保証人もいないんじゃあね。

日本はアメリカと違い、担保か保証人がいなければお金貸してくれませんからね。

最近は少額であれば無担保無保証なんてのを政府系がやってますけど、あれが限度でしょう。

 

この手の経営者は、経営が全くわかっていない人がほとんどです。

経営(資金繰り)を改善するためには、資金の流入(売上)を増やすか、資金の流出(経費など)を減らすしか方法はありません。

ここでこの手の経営者は、最善の策でプランニングするんですね。

『○○社の売上があと○○%UPしたら資金繰りが良くなる。』とか『○○があと○台売れたら大丈夫』だとか。

これって最悪の経営だって事、わかりますよね?

その見込みが外れたならば、以前より悪くなるんですから。

なぜ以前より悪くなるか、わかりますか?

その分、手当をする時期が遅れてしまうからです。

時期が遅れれば遅れるほど、手遅れになる可能性が高まるのは、人の病気も会社の病気も同じなんですよ。

 

資金繰りの悪化は、会社の病気なんです。

病気であれば、早期に手当をしなければ大変なことになります。

さらに、これは伝染病なんですね。

手遅れになって会社が死んで(倒産)しまったら、取引先にも伝染するでしょ?

これが連鎖倒産と呼ばれるヤツですよね。

 

あなたの会社、大丈夫ですか?

一度健康診断を受けた方がいいんじゃありませんか?

 

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借入金で節税効果がある場合

 

最近、「借入金、節税効果」などのワードで検索してこられる方が増えています。

わたしは今までこのブログでは、「借入金は経費にならないため節税にはならない」と書いてきました。

これはこれで間違いではありませんが、実は誤解を生じる可能性もあるんです。

ということで、今回は借入金が節税効果を生じる場合についてお話ししてみましょう。

 

「えっ?そんなことあるの?」と驚かれた方もいらっしゃるかと思います。

あるんです。

確かにあるんですね。

ただ、それは相続税や贈与税の場合に限るんです。

法人税や所得税の計算において、借入金の返済が経費にならないことは間違いないんです。

しかし相続税や贈与税の計算は、法人税や所得税の計算のように収益から費用を差し引いて利益を計算するようにはなっていないんです。

相続税や贈与税の計算では、もらった財産から引き継いだ債務を差し引いて純粋な財産の増加額を計算するようになっています。

つまりこの場合には、債務である借入金はもらった財産から差し引くことが出来るんです。

 

バブルの頃、この方法を用いて節税対策をする人がたくさんいた時期がありました。

あまりにたくさんの人がこの方法を用いたため、一時期この方法に規制がかかったほどです。

『どんな方法なんだ?』ですって?

これはホント簡単ですよ。

銀行などからお金を借りて不動産を購入したんです。

相続税や贈与税の計算上、不動産の評価は通常の売買価額より低くなる一方、債務である借入金の評価額はそのままの金額なのです。

一つ例を挙げてみましょう。

 

 

10億円の借入金で10億円の収益マンションを購入したとします。

購入直後に死亡したとしたら、10億円の借入金はそのまま残っていますよね。

一方収益マンションの評価額は10億円ではなくて8億万円程度になるんですよねぇ。

ってことは・・・・。

そうですね、他の財産が2億円あったとしても純粋な財産の増加額は0円ということになります。

これが借入金を用いた節税対策なんです。

 

 

もちろん、この規定が必ず使えるかといえばそうではありません。

使えないケースもありますので、実際に使う時には専門家に相談して下さいね。

 

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お金を支払ったら経費になるとは限らないっ!

 

「えっ!そうなの?」って思った人もいるでしょう。

っていうか案外多いんですよね、こういう人。

手元からお金がなくなったら、利益もなくなると考えていると大間違いなんですよっ!

 

こんな例を挙げるとわかりやすいんですよね。

例えば、銀行預金。

手元からお金がなくなりますけど、利益が減るわけじゃありませんよね?

これはわかるでしょ?

 

「いや、それは何かを買ったわけじゃないから・・・」って感じました?

それじゃ、これはどうですか?

土地。

土地を買ったら、経費になると思いますか?

例えば3000万円の利益が出ているとして、そのお金で3000万円の土地を買ったら利益は0になると思います?

 

 

 

ならないんですよっ!!

 

 

 

気をつけて下さいね、土地は買っただけでは経費にはなりません。

会計の世界では、お金を支払った結果は5通りもあるんです。

そしてその5通りのうちの3通りまでは、利益は減らないんです。

利益が減る残り2通りのうちの1つが経費なんです。

 

それじゃ、ここでその5通りについて簡単に触れてみましょう。

①資産の増加
   (例)銀行預金への預入、土地の購入など

②負債の減少
   (例)借入金の返済など

③資本の減少
   (例)資本金の払い戻し、配当金の支払いなど

④売上の減少
   (例)売上の返品、値引きなど

⑤費用の発生
   (例)各種経費の支出

 

わかりますか?お金の支払いが利益の減少となるのは④と⑤の2通りだけなんです。

そしてお金の支払いが経費の支出になる場合って、最後の⑤だけなんです。

 

ね、だからお金の流れと利益の流れは違うんですよ。

お金の有無と利益の有無は全く関係ありませんからね。

 

 

定期預金はどこに行った?

以前からわたしは、中小企業ではあまり経営分析は必要ないと言ってきました。

もちろんいまでも、その基本スタンスは変わっていません。

「それじゃ、お前の事務所では経営分析は一切しないのか?」ですって?

 

 

いいえとんでもないっ!、もちろんやりますよっ!

 

 

「なんだよそれ、おかしいじゃん?」って思いますよね?

やるのはやるんですけど、ちょっと違うんですよ。

流動比率や労働分配率など、使う指標は同じものですが、使うデータの質が違うのです。

同じ計算式で出たものでも、そのデータが違うと異なった数値がでてきます。

ん?データの質が違うってわかりにくいですか?

それじゃ、少し説明しましょうか。

 

例えば流動比率を計算するために決算書を見ますよね?

あなたの企業の決算書、定期預金はどこにありますか?

「えっ?銀行だけど?」なんて回答は期待してませんよっ!

あなたの企業の決算書を見て下さい。

さて、定期預金はどこに表示されていますか?

おそらく、8割以上の企業が流動資産の中、預貯金等に含まれているのではありませんか?

いかがですか?

ね、流動資産の中にあったでしょ?

って言うと、決まって「いや、この定期預金は1年満期だから流動資産でいいんだよ。」なんて回答が返ってくるんですよねぇ。

 

 

まぁったく、そんなだからちゃんとした経営分析が

出来ないんですよっ!

 

 

「えっ?何がおかしいんだ?」って思うでしょ?

これって、おかしいんですよっ!

わかんないでしょ?

それじゃ、ちゃんと聞いて下さいねっ!

 

そのまえに、1年基準(ワンイヤールール)ってご存じですか?

ここから簡単に説明しておきましょうね。

1年基準(ワンイヤールール)ってのは、1年以内に現金化されるものを流動資産とし、それ以外のものを固定資産とするという約束事の事です。

同様に、1年以内に支払期日が到来するものを流動負債、それ以外のものを固定負債とするんです。

これは決算書を作成するときの約束事ですから、「あぁ、そうなんだ」って感じで聞いて下さいね。

 

こうして見ると、1年満期の定期預金は確かに流動資産になります。

でもね、ここでちょっと考えてみて下さい。

 

 

あなたはなぜ1年満期にしているんですか?

 

 

 

・3年以上にしなければ、どうせ金利が低いから?

・万が一の時に解約しやすくするため?

・他の預金とは別にしておきたいから?

などなど、いろんな理由がありますね。

だからここでちゃんと考えてもらいたいんです。

自分の定期預金は1年以内に取り崩す予定なのかどうかをね。

こうなると、確かに1年満期の定期預金であってもその本質は固定資産だったりするんですよねぇ。

 

あれ?いま変な顔しませんでした?

「どうして預金が固定資産なんだ?」って顔してますよ。

ダメですよ、変な先入観持っちゃ。

預金も、満期を迎えて現金化されるのが1年を超える場合は立派な固定資産なんですっ!

間違えないで下さいねっ!!

 

このようなものが、実は他にもたくさ~んあるんですよ。

このあたりをきちんと整理してなければ、経営分析なんていくらやってもなんの意味もないんですっ。

明日あたり、あなたの企業の決算書をもう一度こういう視点で見直してみて下さい。

きっとまた別のものが見えてくることでしょう。

そして、それが本来の姿なんでしょうね。

 

中小企業の資金繰りで最も厳しいものとは?

 

いつも言うことですが、中小企業にとって資金繰りは最重要課題です。

そんな中で、ほとんどの中小企業が陥る資金繰り上の大きな落とし穴が二つあります。

一つは

 

 

 

源 泉 所 得 税

 

 

 

です。

中小企業経営者であれば『あぁ、あれか』と理解してもらえると思いますが、ご存じない方のために簡単に説明しますね。

 

働いて給料をもらったことのある人であれば大抵経験したことがあると思いますが、ご自分の給料明細を思い出してみて下さい。

給料明細って、大抵は上半分が支給項目、そして下半分が控除項目となっています。

この控除項目の中に「源泉税」とか「源泉所得税」ってところがあるでしょ?

えっ?見つかんない?

もし見つからないようであれば、あなたの給料からは税金が引かれていないんです。

課税最低限の金額があるんですが、ここでは触れません。

 

この「源泉税」ですが、原則は給料を支給した月の翌月10日までに国に納付しなければなりません。

っていっても銀行や郵便局の窓口でOKなんですけどね。

最近は電子納付といって、オンラインバンキングからも納付できるようになっています。

この原則的な方法であればさほど問題ないのですが、問題は例外の方なんです。

例外ってどんな方法でしょう?

ちなみにこの例外は、常時10人未満の従業員に給料を支給する企業に限って認められる特例です。

つまり比較的小規模な企業に限られるものなんですね。

これは小規模な企業の事務手続きを簡素化する目的で設けられている制度です。

 

例外の方法は次のようになっています。

●1月分給料~6月分給料の源泉税・・・・・・・半年分をまとめて7月10日までに納付

●7月分給料~12月分給料の源泉税・・・半年分をまとめて翌年1月20日(10日の場合もあります)までに納付

 

ここで注目して欲しいのは、手続きではなくて半年分をまとめて納付という部分です。

勘のいい方であれば、もうおわかりですね。

そうなんですっ!

半年分をまとめると、かなり大きな額になるんですっ!

確かに事務手続きは簡素化されますが、資金繰り面ではかなり圧迫することが多いものなんですっ!!

 

中小企業ってやはり資金繰りがタイトなんですよ。

正しくはこの源泉税、従業員からの預り金ですから資金繰りなんかに使っちゃいけないんです。

でも中小企業の資金繰りはそんなこと言っちゃいられないって事がホント多いんです。

で、どうなるかというと・・・

 

 

 

納期限になってもお金がないため滞納っ!

 

 

 

先ほどもいいましたが、源泉税って従業員からの預り金なんです。

預かっているお金を期限までに納付しないって事は、国側からすれば横領に近い感覚なのかもしれません。

で、税金の仕組み上どうなってるかというと

 

 

 

源泉税の滞納には非常に厳しい罰則が課せられます

 

 

 

まず、1日でも遅れるとそれだけで最低5%の不納付加算税が課せされます。

その上年利14.6%という、消費者金融並みの利子税が課せられます。

さらに、他の税金に比べて取り立てが非常に厳しくなります。

 

 

んじゃ、どうすればいいんでしょうね?

私が勧めるする方法は、次の二つです。

●毎月の源泉税分を、別預金にして備蓄する。

●面倒でも原則通り毎月納付する。

 

「なんだ、そんなことか・・・」って言わないで下さいね。

法律で決まっているものを曲げることは出来ませんから。

でもちょっと考えたらわかると思いますが、カードローンの金利よりも高いんですよ。

こんなの滞納したら、資金繰りがさらに悪化するのは目に見えてるでしょ?

その上これらの罰則で課せられた税金は経費で落ちないし。

踏んだり蹴ったりですよね。

 

であれば、いかに滞納せずにすむかを考える方がいいでしょ?

どうせいつかは納付しなきゃならないんだし。

自分で貯められる自身のある方は、毎月備蓄して頂ければ結構です。

その自身がない方は、是非毎月納付することをオススメします。

毎月納付するのって、そんなに面倒じゃないですよ。

給料計算と一緒にやっちゃえば一度ですむし、ね。

常に前向きな姿勢で取り組んだ方が、いい結果がでますよ。

 

次回は、「中小企業の資金繰りで最も厳しいもの」のふたつめを紹介しますね。

 

 

「なんのために?」を常に意識しよう!

 

会計で大切なことの一つに「なんのために?」というものがあります。

これをきちんと考えていなければどうなるとおもいます?

「まぁ、これくらいでいいだろう・・・」とか「面倒だし、いいか・・・」なんてことになるんですね。

一つ具体例を出して説明してみましょう。

 

例えばある企業で、支店を出すことになったとしましょう。

ここで皆さん考えることは「支店の経理ってどうするの?」って事ですよね。

そしてその次の瞬間には「まぁ、支店だから本店と一緒でいいか。」なんてことになるんです。

 

 

 

 

いいえっ! それってダメですよっ!!

 

 

 

なぜダメだか、わかりますか?

ダメな理由はあとで説明しますから、考えておいて下さいね。

 

ここで考えて欲しいのは、どうして「まぁ、支店だから本店と一緒でいいか。」なんて考えに至るのか、という点なんです。

っていうか、理由は明白ですよね。

そう、面倒だからでしょ?

あるいは、支店にまで経理担当者おけないから、なんてのが理由ですよね?

もちろん支店にまで経理担当者を置こうとすれば、かなりの経費増となります。

これは確かに現実的ではないかも知れません。

でもね、そんなときのために会計にはちゃんと備えがしてあるんです。

それが

 

 

 

本 支 店 会 計

 

 

 

と呼ばれるものです。

ここでは難しいことは説明しませんが、支店に経理担当者を置かなくても対応できる方法です。

ちゃんとこういうシステムが用意されているんですよ。会計って優秀でしょ?

もちろん規模にもよりますが、中小企業レベルであれば支店オープンから採算がとれる用になる時期くらいまでは対応できると考えられます。

えっ?そんなの聞いたことないですって?

まぁねぇ。それほど有名じゃないですから。

導入も比較的簡単ですから、興味があったらお尋ね下さいね。

 

 

それではなぜ本店と一緒じゃダメなのか、考えてもらえました?

えっ?考えてないのっ?

・・・。

しょうがないですねぇ。

じゃ、答を言っちゃいましょう。

本店と一緒にすると支店独自で採算がとれるようになる時期が見えなくなり、撤退の時期を見逃すからです。

間違えないで下さいね。

もし支店独自で利益が出るのであれば、本店と一緒でもさほど問題はないんです。

もちろん別にした方が、本店と支店とでどのくらい利益が出ているかが判断できるから、より良いことは確かです。

でも、本当に必要なことはいつ撤退するかなんですよ。

これを見過ごしてしまうと、本店を巻き込んで倒産する可能性が出てきますからね。

 

だから、はじめに言ったでしょ?

【なんのために?】を考えていないとダメだって。

いまあなたがやっている会計も、なんのためにやっているのかよく考えてみてくださいね。

 

 

利益が出てもお金が残らない、最大の理由

『決算書上では利益が出ているのに、全然お金がないんだけど・・・?』

こんな話をよく聞きます。

以前のエントリー『お金の流れを見るにはキャッシュフロー計算書ではダメだっ!』でも書きましたが、利益とお金は一致するとは限りません。

いくら売上がたくさんあっても、売掛金を回収できていなければ絵に描いた餅でしかありません。

こんなの、『貸し倒れたらどうすんだっ!』って感じですよね。

 

少し寄り道します。

皆さん勘違いしてると思いますが、貸し倒れって売掛金がパーになるだけじゃありませんからね。

納品している商品までパーになるんです。これが返品との大きな違いですね。

貸し倒れも返品も、売上代金が回収できなくなる点では同じです。

しかし、返品の場合には戻ってきた商品を再販できますが、貸し倒れの場合には商品は戻ってきません。

ね、最悪でしょ?

  

それでは話を元に戻しましょう。

それでは売上代金を全て回収できたとしましょう。

あるいは日頃から全て現金売りのみである場合を考えてみてください。

このような企業では、利益とお金の流れが一致します。

それではこのような企業では利益が出たらその分だけお金が手元に残るのでしょうか?

 

 

 

いいえ、やはり残らないのですっ!!

 

 

 

これが日本で企業を経営するにあたっての最も難しい点なんです。

そして、日本では起業後10年継続する企業が2割程度しかないといわれる最大の理由でもあります。

この理由、なんだかわかりますか?

実はこれ、日本は間接金融中心の社会だからなんです。

 

ここで直接金融と間接金融の違いを簡単に説明しましょう。

直接金融とは、ひと言で言えば出資を意味します。

企業経営上資金が必要となった場合に、誰かから出資を受けて資金調達をするシステムを直接金融と呼びます。

日本では主に上場企業がこのシステムを採用しています。

これに対して間接金融とは、ひと言で言うと銀行融資を指します。

資金調達の必要性が生じると、金融機関から融資を受けることで解決するシステムを間接金融と呼びます。

 

直接金融で調達した資金と間接金融で調達した資金では、天と地ほどの違いがあるんですよ。

この違い、なんだかわかりますか?

わかんない?実はね、

返さなきゃならないかどうかなんですっ!

借りたお金は返さなければなりませんが、出資して貰ったお金は原則として返す必要はありません。

つまり間接金融とは一時しのぎの資金調達法でしかないのです。

 

勘のいい人だったら、そろそろ私の言いたいことがわかってきたのではありませんか?

 

それでは、一つ簡単な例を挙げて説明しましょう。

ある企業の今期の決算による利益が1億円だったとします。

この企業は売上代金を全額現金回収しており、期末では売掛金がなかったとしましょう。

便宜上、費用もゼロだったとします。

するとこの企業、通常であれば現金が1億円あるはずですよね。

ところが、以前から借りていたお金を返済するために1億円を充てていたとしたら・・・。

この企業、どういう状態かわかりますか?

そうです、利益は1億円あるにも関わらず現金はゼロなんです。

借りていたお金を返しても、経費にはなりませんからね。

そしてこれこそが

 

 

 

利益が出てもお金が残らない、最大の理由

 

 

 

なんですっ!

特に中小企業では、せっかく儲けたお金が借入金の返済で消えてしまっている企業が多いんですね。

これをいかにうまく乗り切るかが、10年後生き残れるかどうかの最大のポイントなんですよっ!

 

 

間違った車両の買い換え

 

日本では3~5年ごとに自動車を買い換える人が多いですね。
この理由は明確、車検を通すかどうかを考えるからです。
それともう一つ大きな理由があるんですね。
それは、下取り価格。
今の中古自動車市場では、主として走行距離と年式で下取り価格が決まるようです。
そこでみんな考えるのが『今だったらまだ高く売れる』って事なんですね。

ここで一つ大きな間違いを犯す人が出てくるんです。
それは
 
 


ローン残高のことを考えずに買い換えてしまう

 

 


って事なんです。
これはあまりプライベート用の車では考えられませんけど、事業用となるとたまに相談を受けて驚きます。
つまりまだローン残が残っているのに買い換えるって言ってくるんですよ。
信じられませんよね。

それじゃ、このとき社長が何を考えているのかを考えてみましょう。
この瞬間、社長の頭の中は『節税』の事しかないんですね。
つまり、税金を少なくするためだけに車を買い換えようとするんです。
だからローン残のことなんか眼中にないんですね。

でもね、これってスゴく危険なんですよ。
何が危険かって、ローン残高ばかり増えるだけであまり節税効果がないからなんです。

ちょっと一つ例を挙げてみましょう。
簿価(帳簿上の価値)として500万円残っている自動車があったとします。
そしてそのローンがあと600万円だったとします。
この自動車を300万円で下取りして新たに600万円の自動車をローンで買ったとしたら・・・
さぁ、どうなるでしょう?

まず簿価500万円の自動車を300万円で下取りしたんだから、200万円の損失ですね?
ということは200万円利益が減少してその分税金が減るって事です。
中小企業ではおおむね35%が税金だから200万円利益が減少したら70万円税金が減るって事になります。

ここまではいいですよね?

この300万円をローンの返済に充てたら・・・。
ローン残高が600万円だからここから300万円を返済してもまだ300万円が残るって事になりますね。
その上で600万円の自動車をローンで買うんだから、負債は合計で900万円になるでしょ。

つまりこの会社、600万円の自動車に対してローンが900万円残るって事になるんですよ。
この場合の節税効果はたったの70万円!
70万円ぽっち税金減らしても、ローンの金利でそれ以上払うことになる事に気づいていますか?


確かに節税は大切なのですが、自動車の買い換えの目的を節税にターゲッティングするとろくな事になりません。
自動車は必要な時に必要なものを買い換えるようにして下さいね。
そうでなければ、ローン残高ばかり残って大変なことになりますよ。

 

 

グレーゾーンってなんだ?

あー、久しぶりのブログ更新です。

今日は【グレーゾーン】について、わたしの考え方を書いてみようと思います。

 

【グレーゾーン】というのは、税法に照らした場合に白黒がはっきりしない分野を指します。

税務調査の話で、よく『見解の相違』なんて言葉を聞いたことありませんか?

これがいわゆる【グレーゾーン】の話です。

 

でもね、実は【グレーゾーン】ってのは、みんなが考えているほど多くはないんですよ。

世間で聞く【グレーゾーン】だという話の9割は、実は真っ黒なんです。

そう、真っ黒ってのは脱税って事。

脱税とまではいかなくても、思いこみや勘違いって事です。

 

つまりは自分の思いこみや勘違いを【グレーゾーン】だと言ってるだけに過ぎないんです。

だってそうでしょ?

税法って複雑怪奇じゃないですか。

これほど複雑に枝分かれした税法に、それほど曖昧な部分が多いこと自体がおかしいとは思いませんか?

おかしいでしょ?だからそんな事はないんです。

 

「でも、税務調査で修正申告した時に、税理士さんがそう言いましたけど?」

そうなんですよねぇ。税理士ってそう言うんです。

税理士って税務調査で否認されたら、自分の責任になることをおそれて、なんでも『見解の相違』って事ににしちゃうんですよ。

 

3年に1回程度は必ず周期的に税務調査に来る企業で、調査の度ごとに『見解の相違』があるようならば要注意です。

それって『見解の相違』じゃない事が多いからです。

税務調査に来る度ごとに思いこみや勘違いがあるからこそ、周期的に来るって考えた方が自然でしょ?

本来の『見解の相違』であれば1~2回の税務調査で無くなるはずです。

そうなると、ほとんど税務調査に来なくなることもたくさんあるんですよ。

だってそうでしょ?

調査しても間違いがないところであれば行く必要ありませんからね。

数回実績が出来ると来なくなりますよ。

 

【グレーゾーン】なんかを気にするんじゃなくて、自社の業績を上げることを気にして下さいねっ!

 

 

勘定科目の知られざる実態~応用編

 

以前のエントリーで、勘定科目は自分で自由に決められるという話をしましたね。

忘れちゃった方は、『勘定科目の知られざる実態』を読み返して下さいね。

って言ったら、全員が読み返すでしょ?

でしょ?

でもね、概要はきちんと押さえておいて下さいね。

そうじゃないと、いつまでたっても先に進めませんよ。

会計は読み物としては全っ然面白くありませんからね。

 

今日はその応用編です。

勘定科目って、何で決まると思います?

そう、その費用の性格ですよね。

だから、私はいつも勘定科目を説明する時には『投げ縄みたいなもんだ』って言うんです。

勘定科目とは、 

 

 

同じ性格の費用を投げ縄で一括りにしたもの

 

 

 

だととらえて下さい。

 

今、すっごく重要なことを言ったの、気づきました?

えっ?『投げ縄のことか?』ですって?

そんなはず無いでしょ?

まぁそれも大切ですけど、そうじゃありません。

それは、

 

 

 

同じ性格のもの

 

 

 

という部分です。

まだピンと来ませんか?

それじゃちょっと考えてみて下さい。

 

『得意先の人と飲みに行って、飲食代を支払いました。』

この費用の勘定科目は交際費だってのは、いいですよね?

得意先の人との交際のための費用だからです。

『帰りに終電が無くなったので、タクシーで帰りました。』

このタクシー代の勘定科目はなんでしょうか?

『そんなの簡単だよ、旅費交通費だろ?』って思います?

こう書いたら、「えっ?違うの?」って思ったでしょ?

多分これを読んでいる99%の人が「何が違うんだ?」って感じたことと思います。

 

 

 

はい、違うんです!

 

 

 

これを見て『ふふふ、なるほど・・・』と感じている人は、恐らく同業者さんです。

これをなぜわざわざ書いてると思います?

この部分は、それほど間違いやすいところだって事なんですよ。

これは初めは全員が間違います。

はい、全員だと言いきってしまいましょう。

それでは、何が違うかを説明します。

 

まず答えから。

この場合のタクシー代は【交際費】に該当します。

『えっ?タクシー代なのにどうして交際費?』って思ったでしょ?

だからはじめに言ったじゃないですかっ!

同じ性格のものを一括りにしたものだって。

タクシーを日常の交通手段に用いたならば、旅費交通費となります。

しかし接待や交際の延長で使用したならば、これは交際費となるんです。

その費用を、どういった性格で利用したかによって勘定科目は変わるんだって事です。

 

わかりやすい例をもう一つ挙げて見ましょう。

事務所の玄関を飾るために買ってきた花は消耗品費です。

しかし全く同じ花を、得意先へのプレゼント用に買ってきたならば交際費となるんです。

 

 

わかりますよね!

この分類は初めは難しいんですけど、やってるうちになれてきます。

ここはしっかりとやっておいて下さいね。

さもないと、予算管理が出来なくなりますからね。

 

 

 

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