お金の教育~その2
前回は、日本ではお金の教育を受けないままに社会にいきなり出ることによる弊害についてお話ししました。
今回は、現在の日本における間違ったお金の教育についてお話ししようと思います。
皆さんはこんな言葉を聞いたことはありませんか?
子供の前でお金の話をするなんて!
一度くらいはあるんじゃないですか?
なぜ子供の前でお金の話をしちゃいけないんでしょうね?
わたしはいいと思うんですけど。
わたし自身は祖父が建具屋をやっていた関係上、幼少時は毎日帳場で遊んでいました。
帳場ですからいろんな業者さんが来ますし、当然そこではお金のやりとりが行われます。
わたしはそれを目の当たりにしながら育ちました。
そこでは誰一人、子供の前で・・・なんてことは言いませんでした。
それどころか、私の目の前で「もうちょっと負けてぇな!」なんて話をしていました。
そんな原体験が関係あるかどうかはわかりませんが、今わたしは税理士なんて仕事をしています。
少なくともわたしにとって、幼少期にお金の話を聞いたことが悪い方向に影響したということはなさそうです。
今日本では、子供たちに間違ったお金の教育が知らず知らずのうちになされています。
親は子供の前で正しいお金の話をしない代わりに、親同士の会話の中で物価や税金に対する悪口を言います。
学校では、受験に必要な学科しか教えません。当然そこには受験に関係のないお金の話なんて入る余地はありません。
マスコミはニュースで不特定多数に向けて景気や増税・不祥事による税金の無駄遣いを報道します。
子供たちが見ていることも気にせずに。
絶対に必要なんだから、お金の知識って。
大人ですら勘違いしている人が多いことの一つに、お金自体には価値はないって事があります。
わかりますよね、お金自体って価値はないんですよ。
少なくとも、今のお金には。
昔の金貨や兌換紙幣の頃にはお金自体にもそれなりの価値がありましたが、今のお金ってニッケルや銅、あるいは紙ですよね。
それ自体にはなんの価値もありません。
お金の真の価値は、それを使って自分の欲しい物と交換できる点にあるんです。
子供たちに「今何が欲しい?」って尋ねてみてください。
必ず数人に一人は「お金」って答えます。
これ、何を意味するかわかりますか?
この子供には、夢がないってことを意味するんです。
お金自体が大切なのではなくて、お金をどのように利用するかが大切なんです。
自分の夢に向かってお金が必要であれば、それをいかにして稼ぐかが大切なんです。
もう一つ間違った風潮があります。
こんなイメージ持っていませんか?
お金を儲ける人って悪い人
最近でこそいろんなところでお金を儲けることは悪いことじゃないと言われていますから、少しはマシになってきたと思います。
それでもまだ何となくそんなイメージを持っている人もいるんじゃないですか?
お金って儲けること自体は悪いことではありません。儲けたお金をどう使うかが問題なんです。
有名な投資王であるウォーレン・バフェット氏も「1000億ドル儲けたら999億ドルは寄付をする」から、拝金主義者だなんて言われないんでしょう。
日本でも中学生くらいから少しずつお金の教育を始めるといいんじゃないでしょうか?
特に学校で出来ないのであれば、家庭でのお金の教育は重要だと感じるのですが、いかがでしょうか?
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2008年6月17日