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なぜ節税をすればお金がなくなるのでしょうか?
-----節税の目的とはいったいなんでしょう?-----
ほとんどの人は、目の前の税金(会社の経営者であれば法人税、個人事業者であれば所得税)を減らすことが節税だと思っています。
もちろんそれも「税金を減らす」という目的においては節税と言えるでしょうが、それではなぜ税金を減らしたいのでしょう。
これまで多くの経営者に出会い「なんのために節税をしたいのですか?」と聞いたところ、明確な回答はほとんどありませんでした。
「払わないですむのであればそのほうが良いに決まっているじゃありませんか」あるいは「そりゃ節税は経営者として義務ですよ」、さらには「税金は1円たりとも払いたくないから」というものまで千差万別です。
しかしこれらは本当に節税の目的なのでしょうか。
これらの経営者に「それでは税金が減ったとして、それをどうするんですか?」と聞いたところ、それを貯蓄すると答えた人は皆無でした。
全員が何らかの形でその節税分のお金を使いたいと答えました。
もっと良い車がほしい、もっと大きな家に住み替えたい、旅行に行きたい、値札を気にすることなく買い物がしてみたい・・・。
まさにこれが節税の目的です。
節税の目的は「税金を減らすこと」ではなく
「可処分所得を増やすこと」だったのです。
-----可処分所得を増やすこと=節税ではありません-----
それでは「可処分所得を増やすこと」と「節税」はイコールなのでしょうか。
実はここに大きな勘違いがあります。
一時的に節税にはならなくても、最終的には多額の可処分所得を増やす方法も存在するからです。
経営は一年ごとに成果を判断するべきものではないのと同様に、節税も一年ごとに考えるべきものではありません。
数年かけてじっくりと積み上げることで、大きな節税と可処分所得の増加が期待できます。
しかしそのためには、必ずクリアしなければならない問題点も存在します。
それは業績の維持向上です。
「節税」という限りは納税が無ければ話になりません。
多くの可処分所得を得ようと思えば、節税以前に十分儲ける必要があります。
節税だけで可処分所得が増えることはありません。
-----いわゆる「節税策」では可処分所得は増えません-----
それでは可処分所得を増やすための節税策とはどのようなものがあるのでしょうか。
役員報酬を増やす?
自動車を買う?
社長の住居を社宅にする?
社長を被保険者として会社で保険に加入する?
はたしてそれで本当に可処分所得が増えるでしょうか?
役員報酬を増やすと所得税・住民税・社会保険料が増加します。
節税と言いながら納税額が増えていることになります。
「法人税で払うよりも所得税の方が少ないから」という理由で役員報酬を増額しているケースが多いようですが、これは安易な選択でしょう。
経験のある人はお気づきでしょうが、思ったほど手取り額は増えません。
自動車や社宅・保険なども会社から資金が流出します。
これらを複数組み合わせてプランニングしていくことになりますが、そこには逆転の発想が必要となります。
その一例が「どうすれば利益を増やさずに役員報酬を減額できるか?」です。
これができれば、法人税は変わらずに所得税・住民税・社会保険料を減らすことができ、個人の可処分所得を増やすことが可能となります。
「社長さん! 税理士の言うとおりにしていたら、会社つぶれますよ!」という本がありますが、その通りかもしれませんね。
2012年6月25日