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第2回目:金融機関の融資担当者とは仲良く!
金融機関からの融資には、大きく分けて「プロパー融資」と「制度融資」があります。
「プロパー融資」とは、金融機関が独自に融資を行うものであり、もし担保や保証人が必要であれば金融機関が直接設定します。
これに対し「制度融資」とは、各地方自治体が行っている事業資金の融資斡旋制度のことをいいます。最も有名なものに信用保証協会があります。
信用保証協会とは地方自治体が設置しているもので、定められた保証料を納入することで金融機関からの融資時に保証人の代わりになってくれるものです。
中小企業の場合、ほとんどの融資がこの保証協会付きのものになると思います。
金融機関からの融資を受ける時に必要となるこの保証協会ですが、もちろんこの保証制度を受けるためにも保証協会の審査が必要となります。
ところでこの保証協会の審査にはいくつかポイントがありますが、 最も大切なことは保証協会毎に審査の方法が違うという点です。
例えば大阪府では、保証協会の審査は基本的に書類だけで行われます。
経営者の経営能力や人柄は判断材料とはなりません。
さらには審査書類(基本的には決算書)からは見えない優位点も、基本的には審査の対象となりません。
これに対して兵庫県は保証協会の審査員が経営者の面接を行いますから、経営者の人柄や審査書類以外の重要事項も考慮の対象となることがあります。
この審査方法を変更させることは不可能でしょうから、保証協会の保証を取り付けようと思えば、やはり審査書類を良く見せることが最重要課題となるでしょう。
それではどうすれば良いのでしょうか。
もちろん決算書の内容が良ければ問題はないのでしょうが、中小企業が融資を受けたい時というのは資金繰りに行き詰まった時の方が多いため、決算書の内容はあまり良くないことがほとんどです。
それではどうしようもないのでしょうか。
ここで考えるべきことは、保証協会に提出する審査書類を作成するのは誰なのかということです。
金融機関を経由して融資を受ける場合、その金融機関の融資担当者が窓口となります。
そしてこの担当者が行内の稟議書から保証協会への提出書類を作成します。
金融機関は出来るだけおカネを貸したいと考えているものです。しかし万が一の貸倒によるリスクを考えると、おいそれと貸せないというのが現状です。
それを保証協会の保証を付けることでリスクを軽減できるのであれば、貸し出しもしやすくなります。
もちろんこれはその融資担当者の成績にも繋がりますので、融資担当者とすれば保証協会の審査に通る方がありがたいことになります。
ということで融資担当者は、時として「稟議が通りやすいように」絵を描いてくれることがあります。
もちろん粉飾やデタラメは出来ませんが、決算書からは見えない企業の優位性をうまく表現してくれることはよくあります。
これは保証協会に対するものに限らず、行内の融資会議でも積極的に働きかけてくれます。
ただし人間関係が良好であればの話です。
経営者が普段から融資担当者と積極的に交流し、その人間性を評価されていれば、融資担当者はその経営者のために動いてくれるでしょう。
逆に「銀行はカネ貸すのが仕事やろ!」と考えているような人には、「すみません、保証協会がダメだというもので・・・」というように、融資を断る言い訳に保証協会が使われることもありますので、ご注意ください。
2012年3月13日