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勘定科目ってなんだろう?~未払金と未払費用
未払金と未払費用を混同している人が非常に多いようです。
税理士でさえよく、本当によく間違っています。
未払費用とは、
費用の未払金のことではありませんっ!!
いま『えっ?』って思った方も多いのではないでしょうか。
費用であろうが何であろうが、未払であれば全て未払金を使います。
それじゃ未払費用って何なの?って思いますよね?
未払費用とは債務が確定していない費用のことを指します。
って書いてもわかりにくいですよね。
それじゃ具体例を出して説明してみましょう。
例えば給料を考えてみてください。
よく『20日締めの25日払い』なんて言われ方をしますよね。
これは次のような計算になります。
例えば10月分の給料を例に取ってみましょう。
10月分の給料というのは、一般的に10月25日に支給される給料を指しますね。
この10月分というのは、正確には9月21日~10月20日までの給料を指します。
ここまでは大丈夫ですね?
それでは、この企業の決算日が9月30日だとしましょう。
この場合、この企業では9月21日から9月30日までの給料が未払となります。
これもいいですね。
しかしこの企業は『20日締めの25日払い』ですから、支払期限である次の給料日の10月25日にならなければ、この9月21日から9月30日までの給料の債務は確定しないのです。
債務が確定していないということは、支払義務がないということになります。
支払義務がないということは、未払金ではないということになります。
ここまでは大丈夫ですか?
次が難しいところです。
支払義務は確かにないのですが、費用はすでに生じていることになります。
なぜならば、9月21日から9月30日までの間、すでに従業員さんは働いているからです。
そこで費用収益対応の原則の観点から、すでに生じている費用を全て計上するために、未払費用が使われるのです。
同じようなものに前払費用・未収収益・前受収益があります。
これら4つのものを総称して『経過勘定項目』と呼びます。
今回は少し高度な部分を説明しました。
もしわかりにくいという人がいれば、これだけは覚えておいてください。
未払費用とは費用の未払金ではないので、迂闊に使うと『会計センスのない人』だと思われてしまいます。
注意してくださいね。
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2008年11月 3日