簿記と会計ってどう違うの?
簿記と会計ってどう違うのか、ご存じですか?
『えっ?急にいわれても・・・』って感じですよね。
書店でも簿記の本と会計の本って違う棚に整理されていますよね。
一体どこが違うんでしょうね?
ってことで、ウエスタン流ぶっちゃけ論で解説してみましょう。
会計っていうものは、企業の財政状態及び経営成績を正確に表現することを目的とした企業会計が基本となります。
企業会計は、その企業の利害関係者が正しい判断が出来ることを目的とします。
そのために作成される財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)について、どのように表現すれば誤解されにくいかをひたすら追求しています。
なんだか小難しい事を書きましたが、ぶっちゃけ正しい財務諸表の作り方を追求しているものが企業会計だと思ってください。
それではここで問題です。
正しい財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)を作成するためには、何が必要でしょうか?
この回答は、簿記一巡の流れがわかっていないと出てこないんですね。
難しいことは抜きにして、簡単に説明してみます。
ここは『ふ~ん、そうなんだ』程度に読んでもらえれば結構です。
まずはじめに取引があります。
取引とは『商品を売った』とか『電話代を支払った』などのように、会計上の取引を指します。
取引があったならば、その取引を仕訳帳と呼ばれる帳簿に記載します。
この仕訳帳に記載するためには、その取引を会計上の言語に翻訳しなければなりません。
この翻訳作業を仕訳と呼びます。
会計ってヤツは仕訳という言語でなければ理解できないんですね。
ちょうどコンピュータがプログラムという言語しか理解できないのと同じだと思ってください。
仕訳帳に記載された取引は、次に総勘定元帳と呼ばれる帳簿に転記されます。
ここまでの手続きを、取引があった都度行います。
こうして1年後、年間の取引をすべて記載した総勘定元帳が完成しますね。
ここからの詳しいプロセスは省略しますが、この総勘定元帳をベースに財務諸表が作成されるのです。
ってことは・・・。
もうおわかりですね、そうです、簿記ってのは会計の最終目標である財務諸表を作成するためのツールなんです。
つまり簿記無くしては財務諸表を作成することは出来ません。
がっ!
簿記を知っているだけでは財務諸表は読めないんです。
ここが重要なところなんです。
簿記というものは、正しくは総勘定元帳を作成するまでのツールでしかありません。
その総勘定元帳に記載されたデータを元に正確な財務諸表を作成するためには、会計(企業会計)を知らなければ出来ないんです。
なぜならば、企業会計には正しい財務諸表の作り方が規定されているからです。
その規定のことを企業会計原則と呼びます。
正しい財務諸表の作り方を知らずに、その財務諸表の読み方なんてわかるはずもありませんよね。
わかったとしても時間がかかりますし、応用が利かずに粉飾にだまされたりすることになります。
もし財務諸表が読みたいと思うのであれば、ざっとで結構ですから会計を勉強した方がいいですよ。
それでは逆に、会計(企業会計)だけを知っていれば財務諸表は作れるのでしょうか?
実はこれもNOなんです。
本当は会計さえ知っていれば財務諸表は作成できるはずなんですけど、最近の会計は非常に複雑になってしまいましたので、簿記だけで一つの学問に昇華しているんです。
もともとツールだった簿記が、今や会計と同レベルにまでになっているということです。
それでもやはり簿記は会計のツールであることには違いありません。
これは、会計に改正が加えられると自動的に簿記も改正されるところに現れています。
そりゃそうですよね、簿記ってのは会計のため(財務諸表作成のため)にあるんですから。
そして財務諸表を読むためだけであれば、簿記は知らなくても大丈夫なんです。
会計の勉強をしたい人が簿記の勉強を始めても、途中でイヤになるのがオチです。
この理由は、間違ったものを勉強しているからなんですね。
いかがですか、簿記と会計の違いわかりました?
今回は会計の中でも企業会計という、企業の利害関係者のための会計について説明しました。
元は企業会計だけだったのですが、最近はそこから派生していろんな会計が出来ています。
次回はその他のいろいろな会計について解説していきましょう。
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2008年5月19日