思考を超えた節税で企業の可処分所得の最大化を目指す:安藤税務会計事務所

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労働分配率からは何が見える?

  

労働分配率ってご存じですか?

付加価値の中に占める人件費の割合のことですね。

付加価値って言ってもわかりにくいでしょうから、ざくっと売上総利益と考えていただいて結構です。 

経営分析では30%以下であれば優秀であるとし、逆に50%を越えると危険だとしています。

 

 

 

果たしてこれは正しいのでしょうか?

 

 

 

気をつけていただきたいのは、この基準値は大企業ベースのものだということです。

わかりやすく例を挙げて説明してみましょう。

 

年商2000万円、原価率20%の企業があったとします。

この企業では従業員を二人雇用しており、代表者を含めた年間人件費が900万円だったとしましょう。

この企業の付加価値(ここでは売上総利益だとします)は1600万円ですから、労働分配率は56.25%となります。

 

 

 

こんな中小企業、当たり前にあるでしょ?

 

 

 

もしこの企業の社長が、労働分配率が高いと考えたならばどうなるでしょう?

選択肢は大きく分けて二つとなります。

がほとんどの社長は、おそらく今から述べる方を選択するでしょう。

社長を含めた3人の人件費合計が900万円ですから、おそらく誰の給料も高すぎる水準ではないはずです。

それどころか社長自身の役員報酬が仮に500万円だったとしたら、残る二人の給料は1人あたり200万円となります。

この給料をこれ以上下げたとしたら・・・

そう、従業員たちの勤労意欲をいたずらに下げるだけの結果となるでしょう。

でも、下げちゃうんですよねぇ・・・。

この二人の従業員、社長に言われたとおりのことをやっていたとしましょう。

であれば、この労働分配率が高くなったのは、いったい誰が原因でしょうか?

 

 

 

こんな中小企業、普通でしょ?

 

 

 

今ひとつの選択肢があります。 

それは付加価値(売上総利益)を上げること。

もっと単純に言うと、売上を上げることです。

売上を上げて売上総利益が増えると、自然に労働分配率は下がります。

 

 

 

つまり労働分配率が上がった原因は、売上が下がったことかもしれないんですよっ!!

 

 

 

労働分配率一つとっても、こんなに複雑なんです。

(ホントはもっと複雑ですけど)

目の前の数値だけで判断すると誤った方向に行く可能性が大きいので、経営分析は十分に注意してくださいね。

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2008年7月21日